"Farewell"
~とある孤独で我儘な男の詩
貴女のことを忘れることができたなら
どんなに楽だろうか
笑いながら過ごした日々
泣きながら話したたくさんの大切なこと
交わされた言葉はまるで宝石のようだった
それは今では
夢か
幻か
私のなかで流れるのは
儚い哀しみの歌ばかり
貴女は
もう忘れたいと
何もなかったことにしたいと
すべて消し去ってくれと
ただそれだけ
私に願うのか
その言葉は鋭いナイフのように
私の胸を切り裂き抉る
手紙も詩も絵も写真も
すべて燃やして消し去ろう
貴女がそれを望むなら
だが消えることはない
私の記憶にいる貴女は
もう一生消えることはない
王子が心を尽くしたバラと同じ
私も貴女に心を捧げていた
忘れることができたなら
どんなに楽だろう
だれか
私の記憶を消し去ってくれ
貴女が誰かと幸せに暮らしていることを
幸せだと思えるほど
私はできた男じゃない
せめて
私の存在を認めてくれたなら
私と過ごした日々もかけがいのない人生の一部だと
貴女が言ってくれたなら
どんなに楽か
せめて貴女が私を殺してくれたなら
どんなに楽か
貴女の純粋で傷つきやすい少女のような心を私は愛していた
少しでも貴女を癒すことができれば優しさで包むことができればと思っていた
そんな過去の全てを消し去ろうとする貴女 残酷な女性(ひと)だ…
それが故に 今 私の心はどうしようもなく空虚だ
貴女が私を消し去ろうとするならば
本当に私などこの世から消えてしまえばよい
バラはこの世にはなかった
孤独の風が吹きすさぶ荒野
遠くでカラカラと風車が回る音が聞こえる
さようなら
愛した貴女
美しい世界
もう二度と
会うことはない
Ende ©ZinSinWind
2008/6/10